デザイナーが語る。

VISIONARIES

ヴィジョナリーズ ファッション・デザイナーたちの哲学

ファッショニスタ(あんまり好きじゃない呼び方だ、いちびってるみたいだし)なら一読の価値ありかと・・・。

 

ヴィジョナリーズ―ファッション・デザイナーたちの哲学

ヴィジョナリーズ―ファッション・デザイナーたちの哲学

 

 服好きな人は多いと思うけれど、デザイナーのインタビュー集を手に取る人はそれほど多くないかもしれない。確かに服は着てなんぼのものだ。作品を着て、デザイナーの想いを感じられればそれだけが全てだ。

だがしかし、好きなデザイナーのことは知りたい。好きな服を作ってくれたその想いに触れたい。それに応えてくれるのがこの本だ。23人のデザイナー(これが本当に豪華・豪華・豪華)が出ている。着たことのあるデザイナーもいれば、とても手が出ないデザイナーもいる(サンローランのクチュールとかトム・フォードのスーツとか着たいなぁ)。元々は川久保玲さんと山本耀司さん、三宅一生さんのインタビューを読んでみたくて、手に取った。日本人デザイナーの3人のインタビューも期待以上の面白さだったし、写真もすごく綺麗だった。(あと、三宅一生さんのかっこいいこと・・・)

 

スタディ・オブ・コム デ ギャルソン

スタディ・オブ・コム デ ギャルソン

 

 

 

服を作る - モードを超えて

服を作る - モードを超えて

 

 

 

Pleats Please

Pleats Please

 

 

インタビュー集の良さと言えば、もともとは興味がない、知らないデザイナーの話を読めることだ。フセイン・チャラヤン(未だに服を見たことがないな、でもすごいですよ)やアズディン・アライヤ(同じく)のインタビューは意外な発見だった。ジュンヤ・ワタナベマルタン・マルジェラは結構ミステリアス(シャイなだけかも)だし、トム・フォードはやはりスターだ。

そして、残念なことにもう話を聞くことができないデザイナーも収録されている。

イブ・サン・ローラン、アレキサンダー・マックイーン。稀有な才能を持った二人のインタビューは文化史・ファッション史にとって価値あるものだ。

 

 服好きは服を着るだけで満足だと思う。デザイナーも特に何かを語る必要などない。想いをクリエーションに託すことが全てと言っても過言ではない。

でもちょっとマニアックだけれども、本に手を出してください。デザイナーの想いを知れば、もっと服が好きになるし、服を大切にするようにもなりますよ。